理事長ご挨拶

~ともに生きるということ♪~


おとしよりがいて、小さな子どもがいます。
病気の人がいて、病気でない人がいます。
障がいのある人がいて、障がいのない人がいます。

いろいろな人がいて ひとつの社会があります。
それぞれの「いのち」はかけがえなく、そして等しいものです。

縁あって出会ったことの横糸をつむぎ合いながら、
自分のいのちにも相手のいのちにも同じ重さを感じようとしながら
支えあい、ともに生きることができますように。

 

この度は、当法人のホームページをご訪問いただき、誠にありがとうございます。
今回、当ホームページを通じて、社会福祉法人暁雲福祉会(ぎょううんふくしかい)のことを皆さまへお伝えすることができ、大変嬉しく存じます。

さて、当法人は、1981(昭和56)年の国際障害者年から知的障がい者福祉に携わっています。
法人理念は『人間礼拝(にんげんらいはい)』
(たったひとつの尊いいのち。支え合って生きていきたい)。
法人名の由来は、江戸時代に開かれていた寺子屋「暁雲館」によります。
浄土宗僧侶である丹羽貫誠(にわ かんじょう)が戦前の制度のない時代から里親となり、戦後の児童福祉法制定以降も含めて26名の里子を養育してきた実践記録が残されています。「暁雲(ぎょううん)」という言葉には、夜明けを染める暁の雲は始まりの色であり、福祉を先駆的に取り組む思いが込められています。

当法人の創設者で初代理事長の丹羽演誠(にわ えんじょう)も僧侶であり、保護司や人権擁護委員、保育園園長等を務め、法人化する以前より佛教福祉の実践を重ねてきました。
また、2代目理事長の丹羽一誠(にわ いちじょう)も僧侶であり、法人創設当初より理事として、昭和から平成の長きにわたり理事長を務め、施設長、保護司として佛教福祉の実践に務めて参りました。

1978(昭和53)年、大分県で初めての小規模作業所を寺の境内に開所。1981(昭和56)年創立より、これまでに大分市民間第1号となる通所授産施設「八風園(はっぷうえん)」や同じく第1号のグループ・ホーム「八風マナス1」を開設。2007(平成19)年までに、障がい福祉サービス事業所「八風園」、同「ウィンド」、同「八風・マーヤの園」、同「八風・be」、指定特定相談支援事業所「風と未来」、グループホーム「八風・マナス」1.2.3.5の4ヶ所、短期入所「八風・カルナホーム」等を経営。
2008(平成20)年には、大分キヤノン株式会社とのご縁を頂き、知的障がい者雇用の場として合弁会社「キヤノンウィンド株式会社」を設立。
2018(平成30)年には玖珠町からの誘致を受け、日本財団の「はたらくNIPPON!計画」モデル事業の一つとして大分県玖珠郡玖珠町に「観光」と「福祉」をテーマにした障がい福祉サービス事業所「ウィンド2」(「玖珠・森のクレヨン」/「森の米蔵」)とグループホーム「八風・マナス玖珠」を新たに開設致しました。


◆お互いの中に「可能性」を探しあうこと

暁雲福祉会は、知的障がいのある方々の豊かな自己表現の向上、自己決定を目指し、1996年よりアートセラピーを導入。
知的障がいのある方々の書道作品を用いた「風」カレンダーの製作続けてきました。また、絵画制作メンバーも含めて「風人」(ふうと)」と名付け、毎年、「風人展」を開催。多くの原画や原書を展示。障がいのある方々へ出会っていただく啓発活動を重ねています。
1997年からはミュージックセラピーを導入。
毎週2回のセッションを積み重ね、2000年よりステージ活動を開始。
メンバーは「八風園」や「ウィンド」「八風・be」の利用者と職員をはじめとして、地域の小、中学生、社会人の音楽ボランティアが参加し、ともに時間を重ねながら、私たちにしかできない『音』を作り上げてきました。
たくさんの人たちと出会い、話したり聴いたり一緒に歌い、音を奏でることで、それぞれが互いに自分を見つめ、相手を思う良い機会となりました。
2000年「ときめき音楽祭」初ステージより、さまざまなステージを重ね、2005年「いい音はみんなの心に響くコンサート」をiichiko音の泉ホール、2007年にはiichikoグランシアタ開催。一般市民、千数百名の方と同じ音を共有することができました。
毎月、法人内で専任のアートセラピー講師、ミュージックセラピー講師とともに豊かな時間を重ねています。
2022年12月、障害者の日・人権週間にちなみ、大分銀行宗麟館にて「風人展+4 hands piano」と題して100点の原書・原画を展示。利用者のpiano即興演奏を発信しています。(2022年12月6日〜2023年1月31日、2023年12月5日〜2024年1月16日)


◆地域に向けた啓発活動は社会福祉法人の重要な役割

私どもは昭和56年から知的障がい者福祉に携わっていますが、昭和、平成、令和と現在に至るまでには多くの法の変遷を経験してきました。
どのように時代が変化しても、お寺の境内に開いたプレハブに通う数人から始まった一人ひとりの知的障がい者への支援が私どもの原点です。
おとしよりがいて、小さな子どもがいます。
病気の人がいて、病気でない人がいます。
障がいのある人がいて、障がいのない人がいます。
その一人ひとりの命のなかにお互いの可能性を探しあいたい。
違いを認めあうまなざしを育み、そのうえで、利用者一人ひとりの「笑顔」の保障に向かいたいと願います。
当法人では福祉関係だけではなく、広く皆さまに向けた障がい者を支える啓発活動にも積極的に取り組んでいます。地域の方々に理解していただき、個々ではなく、社会的にその方々を支えるということを実現するための活動は、社会福祉法人の重要な役割だと考えます。
これからも「人間礼拝」の理念のもと、さまざまな先駆的な取り組みを職員とともに実践してまいります。

混沌とする社会情勢に加え、めまぐるしく変化する社会福祉制度のさ中ではありますが、当法人設立から今日に至るまでの歴史を振り返り設立趣旨を見つめ直すなかで、私どもは今後も障がいのある方々の暮らしと心に寄り添いながら、日々精進して参りたいと考えております。

今後とも当法人の活動に対しましてご支援とご理解を賜りますよう 心よりお願い申し上げます。


合掌。

Comments are closed